epiサポ てんかんといっしょに暮らす

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てんかんに関する様々な情報をお届けします。

私と仕事 〜てんかんと就職活動〜

てんかん みんなのお役立ち

職場に話す? 話さない?

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 最初に就職した保育園には、自分がてんかんであることは言いませんでした。怖くて何も言えないまま、
1年契約の臨時職員として働くことになりました。

 私は症候性部分てんかんで、発作が起こると口や手がけいれんします。最初の保育園で1回だけ、子どもたちの前で発作が起こりそうになりました。少しピクっとしたので、「けいれんしている顔を子どもたちに見せられない」って10秒くらいしゃがみ込んでいました。子どもたちからからだを隠すようにして。「お腹が痛いの」と嘘をついて。

 結局、発作まではいかなかったのですが、「やっぱりいつか話さなきゃいけない」という思いが強まりました。それまでも、黙っていることに後ろめたさは感じていたんです。だから翌年、たまたま園児の数が減り、私との契約が1年限りで終わりになったときは、ちょっとホッとしました。

 1年目のことがあったので、次の保育園を受けるときは、面接で「こういう症状があります」としっかり説明しました。主治医の先生の意見書も提出し、意外にすんなり採用が決まりました。

 今まで9年間、保育士をしていますが、子どもの前で発作を起こしたことは1度もありません。2番目の保育園で、休憩室にいるときや職員会議中に発作になったことはあります。でも、ほかの先生方にてんかんのことを伝えてあるので、サッと対応してもらえました。「いいから、ここで寝てて」って休ませてもらったり。周りに恵まれていましたね。

自分自身の安心と強みのために

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 就職の際、最初にてんかんのことを伝えておくと、自分がホッとできます。もちろん職種にもよるでしょう。
保育士は学校でてんかんのことを勉強しているので、私の職場の人たちは、「ああ、そうなんだ」とすぐに理解してくれました。ほかの職種だと、「てんかんとは」から始めなければいけないので、ハードルがずっと高くなるのかもしれません。それでもやっぱり、後々のことを考えると、最初に話しておいたほうがいいと思います。

 最初の保育園にいた頃のことです。家で発作が起こり、どうしてもからだが動かなくなりました。職場にはてんかんのことを話していなかったので、電話で嘘を言って休ませてもらいました。1度きりのことですが、気持ちのいいものではありませんし、相手の人にも失礼なことです。最初にストレートに話しておけば、後々、そういう自己嫌悪というか、嫌な気持ちにならずにすむと思います。

 就職活動をする人にお勧めしたいのが、主治医の先生に意見書を書いてもらうことです。てんかんがある場合、再就職のための制度として、失業手当の給付日数など、より手厚い制度を利用することができるようになっています。私はその制度を利用させてもらったのですが、その際に、ハローワークで渡された書類の書式に沿って、「就労に関して○○は可能」といったことを主治医に書いていただきました。面接の際、自分の言葉でいくら説明しても、「でも、やはりてんかんだと…」という感じになったときにも、「これがあります!」と出せるものがあると、自分のなかで大きな強みになります。制度の利用については、ハローワークに相談してみるのもいいと思います。

 結婚を機に長野から東京に引っ越し、今は都内の保育園に務めています。東京で主治医になっていただいている先生から、「環境が変わることで発作が増えるから、勤務日数を減らすか、時間を短くしたほうがいいですよ」というお話があったので、面接の場で正直にそう伝えました。「それでお願いできませんか」と。今は週3日で働かせていただいています。やっぱり私、周囲に恵まれていますよね。

※これは個人の体験談です。