epiサポ てんかんといっしょに暮らす

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てんかんに関する様々な情報をお届けします。

パートナーと私 〜てんかんと恋愛・結婚〜

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同じ「大丈夫?」という言葉でも

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 昨日の夜、たまたまけいれん発作がありました。そのとき隣にいた主人が言うんです。「出会った頃、大丈夫? 大丈夫?って何回も聞かれると不安になると言ってたし、俺もそれはわかってるんだけど、やっぱり聞いちゃうんだよね。大丈夫?」って。だから、「うん大丈夫。普通にしててくれていいよ」って答えました。

 主人とは4年前、東京で開かれた『てんかん基礎講座』(日本てんかん協会主催)で知り合いました。 主人は、勤めている施設でてんかん発作を見て、自主的に勉強しようと思ったそうです。けっこう向上心がある人なんですよ。懇親会で主人と話し、「自分はてんかんです」と伝えました。だから主人は最初、「患者の気持ちを知りたい、どんなことに気を付けているのか聞きたい」という思いで私と話していたみたいです。

 当時、主人は東京、私は長野に住んでいたので、1〜2カ月に1回、会うようになりました。まだ恋愛どうこうってなる前でしたね、「大丈夫? と何回も聞かれると…」という話をしたのは。

 私は発作中も意識があるし、目も見えているので、不安そうな表情で何回も「大丈夫?」と聞かれると逆に不安になるんです。私の「大丈夫」という言葉が聞きたくて、聞いて安心したくて何回も尋ねるのかな、と思ったりもするし、そういう気持ちもわかるのですが、やっぱり不安そうな声は聞きたくないし、表情も見たくない。

 主人の「大丈夫?」はまったく違います。本当に、大丈夫か確認するために聞いているし、私もその気持ちがわかるから、 「うん、大丈夫だよ」って普通に答えられます。

嫁として認められた気がして

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 主人の母に初めて病気のことを打ち明けたときはすごく緊張しました。
でも、義母の第一声は、「ええ、聞いてますよ」。
実は、義母に事前に、てんかんの情報を与えておいたほうがいいと考えた主人が、てんかんのテレビ番組の録画を見せたりしているうちに、
勘のいい義母に気づかれたそうです。「なにか隠しているでしょう。心の準備が必要だから話して」と。

「発作を起こしたら口にタオルを入れればいいんでしょ」と義母。
「いえいえいえ、それをしたら絶対にダメですから」と私。
「だって昔、子どもがひきつけを起こしたときはそうしたもんだよ」
「あれはとても危ないんです」
「なんで?なんで?」

 てんかんの話題がオープンになった後は、私の話に義母がよく食いついてくれるというか、
興味を示してくださるんです。病気を否定せず、理解しようとしていただけること、本当に感謝しています。
書店にないてんかんの本を、わざわざ取り寄せてくれたこともあるんですよ。

 今は一緒に暮らしている義母が、「正直言うとあのときはショックだったんだよねえ」とぽろっと話したことがありました。
「せっかくだから私も孫の顔が見たいんだよ」って。
そのとき、出産のことをちゃんと考えなきゃ、と思うと同時に、ホッとしたような気がしました。

 義母から孫の話が出たとき、「嫁として認めてもらえたんだ」ってちょっと泣きそうでした。主人ですか?
隣で一緒に聞いてたけれど、そこまで深く感じていないのかもしれませんね。

 私の発作がおさまると、主人はたまに「お帰り〜」って言います。「おっ、お疲れさん」のときもあります。「たいへんなんだよ、私は」ってちょっとイラッとしながら、「でもありがとね」って思うんです。

※これは個人の体験談です。